結論から言うと、全然違います。中小企業は規模が小さいのは、普通に分かることですが、そこから、どんな風に採用の姿勢が違うかを想像してみることが大事です。
規模が小さいと言うことは、社員数も多くないので、組織が分化していません。つまり、●●課とか■■部という部署がほとんどない、もしくは、機能していないと言うことです。ですので、誰もが社内の仕事なら何でもできるようになっているのが本来理想の組織の形です。なので、採用の専門担当者もいません。採用の専門担当者が常時いる訳ではないので、一年間を通して採用活動を継続することは困難です。今月の合説に出ていた企業が、翌月の合説には全く出ていないことはよくあります。50人の企業なら5%の新卒を採用することにしても、たった2〜3人雇い入れるだけです。ですから、めぼしい人材が現れたら、すぐに採用活動を中止します。ですから、学生の立場からすると、一期一会のような感じの接点だと言うことになります。
当然ですが、2〜3人の採用枠しかないのに、5〜6人採用すると言うことは有り得ません。5人も雇うと、全体の一割増になってしまいます。それは5000人企業の500人採用することに匹敵する多さです。学生はもらった内定を辞退することができますが、企業側は出した内定を取り消すことができません。学生の内定辞退を想定して予備を含めて、採用枠以上にたくさん内定を出して、もし全員を採用しなくてはならなくなったら、大変なことになります。ですので、大手企業に比べて、中小企業は内定を出すことに極めて慎重にならざるを得ないのです。なかなか内定を出さないとか、内定を出す前に学生側の意向を入念に確かめようとするなどの対応がされることがよくあります。
小さな組織なので、大手以上にチームワークや人間関係が重視されます。大手企業なら、部署替えや転勤が頻繁にあるので、特定の人物と馬が合わないと言うことは、それほど大きな問題になりません。しかし、中小企業では、その会社に勤める限り、ほとんど周囲のメンバーが変わらないと言うことはよくあります。特に経営者はほぼ100%変わらないと思った方が無難です。なぜなら、中小企業の経営者は、オーナー経営者で、株式も全部持っている“会社の持ち主”だからです。ですから、企業の側も自社の雰囲気に合う人物かどうかとか、協調性に優れているかなどを、学校の偏差値や専攻の内容以上に重視する傾向があります。社内の色々なことを短期にマスターする必要が大手企業以上にあるので、学習意欲が高いことの方が、どちらかといえば、よく言われる「課題解決能力」などより重視されます。
このように中小企業は経営の規模も組織の規模も小さいがために、色々と大手と異なる採用の仕方や評価基準があります。他にもたくさん、大手企業向けの就活とは異なる場面が出てきますので、是非、このサイトの他のページも読んでみてください。