景気は漸く上向き、少子化も進行する中、新卒の就職戦線は完全な売り手市場だと言う声を聞きます。しかしながら、ニートやフリーターは全然減っているように感じませんし、実際に、求人倍率が上昇しても、失業率は下がらない状況が続いています。

つまり、売れる学生は早くから企業間で取り合いになる一方、売れない学生は最後まで売れ残ると言う構図と理解できます。新卒以外も含めた一般労働市場でこのような問題の原因を問うと、それは、「スキルのミスマッチ」と言う安易な説明で片付けられていることが多く見受けられます。多くの場合、そのスキルとは、ITスキルを指しているようです。

しかし、多くの中小企業などの職場で、ホームページ作成も、エクセル・ワードもそれほどに使用頻度が高い訳ではありませんし、習ってできないような難易度のスキルを要することはほぼないでしょう。

そこで、「売れる新卒学生」と「売れない新卒学生」の分岐点に関して考え、売れない学生のその後の進路を、大手企業、派遣会社、業務請負会社、中小企業など、労働市場の登場人物の立場から、検討してみたいと思います。

キーポイント

(1) 大手企業における新卒採用方針の変遷
(2) 派遣会社による紹介予定派遣
(3) 業務請負会社における若手人材活用
(4) 中小零細企業における大卒新卒採用の課題