就活中の学生に、職種にはどんな分類があるかと尋ねて、「事務」・「接客」・「営業」との答えを聞いて愕然としたことがあります。この分類の単純さには驚きますが、一方で、同じ営業職といっても、ルート営業のような形と飛び込み営業のような形は、私には似ても似つかない職種に感じられます。また、中途採用向けの就職サイトなどの職種分類は、聴いたこともないようなカタカナ職種がずらりと並び、煩雑極まりない状況です。
業種の方は、就活用の説明書などを見ても、恐ろしく紋切り型で、その業種分類は電話帳や企業年鑑などのものと余り一致していません。さらに、特に中小零細企業などでは、経営方針に差別化を掲げ、同じ業種に属していても、大手とは似ても似つかぬ業態になっているところもあります。このように考えるとき、就活を目的に学んだ業種や職種の定義は、企業との接触の中で、採用側の人間と共通認識されない恐れも拭えません。
そこで、学生が就活にあたり、最低限知っておくべき業種と職種の基礎知識と、その各々中の各分類において、持つべきイメージについて考えます。
主な論点
(1) 業界・業種の一般的分類
(2) 業界団体の活用
(3) 業界紙・誌の活用
(4) 職種研究の意義
(5) 職種の一般的分類