中小零細企業でも新卒は雇えますし、定着させて人件費の黒字化ができます
中小零細企業では、採用と育成、そして動機付けによる定着を別々に考えるとうまく行きません。専門学校や短大・大学からの新卒採用であるなら、採用の時には育成を、育成をしながら定着を、連続して企画実践する必要があります。その流れを提示して御社オリジナルの計画を作成します。
具体的には…
●専門学校・短大・大学の就職課における告知や担当者への挨拶において、自社の良さや強みが明確に表現できるような方策を企画致します。
●1次選考時点で、自社の弱みや至らない部分も、強みとバランスさせながら提示し、平均的な中小企業像などと比較しつつ、理解させます。
●御社の状況に適合し方針に合致する人材の選考基準を企画致します。
●内定後には御社の強みを活かした囲い込みの方策を講じ、入社に結び付けます。
●入社後には、まず、その人材の“個人黒字化”の早期実現のための「第一次育成企画」を用意致します。
●“個人黒字化”の後、現場力向上のための「第2次育成企画」を用意致します。
●育成企画と並行して、人材に簡易な調査を行ない、未然に早期退職を予防します。
中小零細企業の新卒採用の鉄則は(専門職などで一部例外はあるものの)…
●「優れた人間ではなく、合う人間を雇う」
●「入れたら、できるだけ早く“個人黒字化”を目指す」
●「入れたら、退職予防策を徹底して、退職を未然に防ぎ、コストパフォーマンスを向上させる」
●「一定期間後、ハードルを上げて、現場力を引きずり出す」
と考えています。そして、この取組みを広い範囲で行なうと、組織の風土改善も同時にどんどん進められます。
特に弊社では、上記の二項目めの“個人黒字化”について、クライアント企業様個別の「スキル・マップ」の用意をお勧めすることにより、ご好評を多数頂戴しております。中小零細企業における「スキル・マップ活用」の原理の解説のページを設けましたので、下の行をクリックして、是非ご覧下さい。
※中小零細企業のモトが取れる新卒育成 <スキル・マップ活用>
また、上述のスキル・マップの活用も含めた、新卒社員の動機付けと社員満足の関係を考察したページを設けてあります。是非、併せてご一読下さい。
弊社代表書き下ろしレポート二本。ご希望の方に(ご主旨確認の上)進呈中!
若手人材から見た「不人気企業」であることの多い中小零細企業の一般社員の「人材調達」を解説。
★新卒採用後の定着と育成の基本をまとめた『人材育成のレポート』(テキストファイル91KB)
★中小零細企業の一般社員新卒採用の原理をまとめた『人材採用のレポート』(テキストファイル103KB)
※『人材採用のレポート』は、“会社の現場監督” 市場真理子氏の原文に加筆修正をして作成したものです。
左のボタンをクリックして、メールにてご連絡下さい。本文部分に、ご希望レポート名(複数可)、貴社名、お役職名、ご氏名、お仕事の概要、ご関心を戴いた背景などを簡単で結構ですので、お書き下さい。
中小零細企業で新卒を雇うことの最大のメリットは “組織改善”
中小零細企業において、新卒を雇うメリットをオーナー経営者に尋ねると、概ね、「新卒は白いキャンバスのようなものだから、自社の色に確実に染められるってことだろ」と、ハンでおしたような答えが返ってきます。
勿論、それはその通りです。そして、白いキャンバスがあっても、絵を描く腕が三流では結局下手糞な絵しかできません。ですので、育成が重要ということになります。新卒採用を行なっていない中小零細企業では、その育成の労力が捻出できないので、新卒育成は自社には向かないという判断を、オーナー経営者が下しているというのが一般的です。新卒採用は、中途採用に比して、採用コストは大幅に低くて済むケースが多いものと思います。そのコスト安と育成の労力を天秤に掛けても、尚、新卒社員を雇うと言う判断に見合わないということでしょう。
しかし、弊社では、「自社の色に染めることができる社員の獲得」以上の価値が新卒採用にあると考えています。大まかにまとめると以下のようなものです。
★ 新卒の育成体制を形作ると日常の業務オペレーションが標準化される。
新卒社員を採用・育成していなかった企業においては、業務オペレーションの方法が、中途社員の過去の経験によって支えられています。その場合、結果がそれなりに伴えば、社員間でオペレーションの方法論が多少異なっても問題になることはありません。しかし、組織の成長と共にオペレーションの標準化を促す必要が出てきます。
新卒育成をきちんと行なおうとすると、今まで幾通りもあった業務オペレーションの方法論のうち、いずれかの最善策を選んで教育コンテンツとする必要が発生します。そして、新卒採用を毎年数人ずつでも継続すると、結果的に若い社員(一般に業務オペレーションの担い手)を中心に一つのオペレーションの方法論が組織の中の多数派を占めるようになってきます。
★ 新卒の育成体制を形作る際に、社員の行動規範を改善できる。
育成にあたり、育成の担当者などを決め、その育成担当者を始めとしてその他の社員ができていないことを一つからでも、事前に直すことを徹底したとします。例えば、それは電話応対の際に、きちんと自社名を名乗ることや、始業前に十分な時間を空けて出社する習慣などでも構いません。それを既存社員はいやいやでもやる状態を作っておきます。
その状態に入社した新卒社員の目には、彼らの入社直前に組織的にできるようになったばかりのことも、新卒社員には、十年前からやっていることの如く映ります。新卒社員が取り組む状況を目の当たりにすると、既存社員もそれを無視できなくなり、結果的に行動規範などの改善が定着してゆくことになります。
★ 既存社員の業務知識の学習を促進できます。
中途採用の社員が高い割合を占める組織においては、研修体制が殆ど整っていないことが多く、製品知識や業界知識、顧客情報などの重要な知っておくべき事柄の徹底が、かなり疎かにされていることがあります。知っている社員は知っていても、知らない社員は知らないままの、分野や項目ごとのまだら状態の知識・ノウハウを社員が各自適当に持っている状態も散見されます。
ここに、新卒社員が入り、彼らに既存社員が業務知識を分かりやすく、体系的に、理解させようとすると、結果的に自分達の持つ知識やノウハウの整理や見直しが必要となり、そのために知識・ノウハウの「棚卸」まで必要になってきます。これを半強制的に既存社員に迫ることが可能となります。
このように、新卒社員の採用・育成は、新卒社員そのものが戦力になることによる効果以上に、既存の組織の機能向上や風土改善に資することのほうが大きいことが分かります。
<中小零細企業経営者のよくある問いと弊社の回答>
Q 「新卒は社会人としての当たり前のことまで教えなくてはならない。だから、中小零細には採用は無理」
全くその通りです。しかし、中途採用であれば、本当に当り前のことがすぐにできる状態になっているのでしょうか。中途採用の人々の前職のクセは本当に御社の強みを活かすように働くものとはかぎりません。
Q 「職歴がないので、能力がよく評価できない」
前職で仮に業績の良かった人でも、同業種・同職種の転職後、ダメな人になってしまうケースはあります。業績は本人の能力のみによって決まるものではありません。それであれば、御社の環境で能力を発揮できる人材を“作る”方が早くはないでしょうか。
Q 「今の若い奴は何を考えているのか分からないし、すぐ辞めてしまう」
では、中高年社員なら、何を考えているのか手に取るように分かるのでしょうか。世代が違うから分からないのであれば、評価者と同世代の人間だけで組織を構成しなくてはなりません。また、すぐに辞めてしまうのは、新卒者にとってフリーターやニートなどと言う選択肢が転がっているからです。その選択肢の将来に対して御社に在籍することの将来が比較優位にあるなら、それを納得させる方策を講じるだけのことです。「社会に貢献したいので地雷堀りのボランティアに行きます」と会社を退職する若者がいると言います。御社は地雷を掘るよりも社会に貢献できない組織なのでしょうか。
Q 「どうせ雇うんなら、成績とか学校のレベルが上位の奴が良い」
SPIなどの試験をするまでもなく、作文や面接で優秀な学生はかなり明確に分かります。しかし、そのような学生は、他社からの引きも多く、自分の価値も冷静に判断できることが多いでしょう。また、既存社員のレベルを大きく上回るような優秀な人材を果たして御社は生かしきれるでしょうか。その様に考える時、優秀であることも捨て難いですが、せめて、優先する評価規準は「御社を好きになれること」におくべきだと考えます。