「人材紹介会社とは、まともに取引などできない」と考えていませんか

幹部候補人材や、店頭公開準備やISO取得準備などの経験者、さらに、営業や物流現場の鬼軍曹役など、ハローワークでは良い人材は来そうにない。人材銀行では少々高齢すぎる。しかし、媒体を打っても反応が今ひとつ。こんな悩みを重ねた上、意を決して、人材紹介会社に連絡してみると、一社連絡するごとに、担当者が来て、散々ヒアリングをしていった上に、求人票を書かせ、守秘義務も含めた契約書を書かせる。それが、各社ごとに繰り返され、人材紹介会社数社のヒアリングが終わった頃にはうんざり来ることでしょう。

受難はこれでは終わりません。候補者が出ないと「ナシのつぶて」になってしまい、何のためのヒアリングの時間投資だか分からなくなってしまいます。様子見や催促の連絡を入れると、担当者が電話口で、「ああ、そういう案件もありましたね」のようなことを言い、完全に忘れている様子。さらに、「候補者が出ないときは連絡しないのが当り前」などと言い放ちます。おまけに、食い下がると、「募集の条件が悪いから見劣りする」などと言われ、話にならない。

などのような、経験をしている中小零細企業の社長はたくさん居るようです。

人材紹介会社にとっての中小零細企業

人材紹介会社から見ると、一般に中小零細企業は最悪の取引先です。理由は以下のようなことです。

①求人のスペックがはっきりしない。
大手企業のように人事部作成のきちんとフォーマット化された求人票がないため、求める人材がどのような条件を満たしていれば良いのか、はっきりしない。ヒアリング段階でそれが決まっていず、相談しながら決めることになり、非常に手間が掛かる。

②企業が有名ではなく、経営にも明確な特徴がない。
当然ながら、中小零細企業は無名であることが多く、また、「●●のシェアなら、全国一」などのこともなければ、テレビで派手な広告もしていないので、人材紹介担当者が人材への説明に難儀します。

③社屋、事務所などのハードが整っていない。
事務所などの見栄えも悪く、面接に連れて行った際に、その会社の魅力をあえて強調しなくては、印象の悪さとバランスが取れない。よってここでも手間が掛かる。

④給与体系や、就業規則が明確ではないことが多く、また明確でも、大手に比べ見劣りする。
面接までは進んでも候補者がこのようなことで辞退する確率も高く、案件としての効率が悪い。

⑤給与も一般に大手よりも低い。
給与の意味づけが大手と中小では異なると言うこともありますが、単純に額面だけ比べれば、中小零細企業のほうが通常見劣りしますし、福利厚生の制度も大抵皆無と言うような状況ですので、訴求すべきポイントが少なく、案件成立の可能性がここでも低くなります。
また、給与水準が低いと言うことは人材紹介手数料も安くなると言うことですので、儲からない案件と言えます。同じ人材に提示する案件が複数あった場合などは、人材紹介担当者が中小零細企業の案件を薦めないと言うこともあり得ます。

⑥ヒアリング時に相談して決めたスペックを満たす人材を簡単に却下する。
決定したスペック通りの人材を候補者として提出しても、数回の転職経験や、写真の表情、文字の巧拙などで、社長が「どうも、こういう奴は好かない」などと極めて主観的な理由を挙げて、却下することがあります。

⑦中小零細企業は組織が少なく、クライアントとして開拓しても、リピートが望めない。
これは、必ずしもそうとは限らないのですが、一般にそう思われているのは本当です。

⑧組織が未分化で、何の仕事をさせるのかが、明確ではない。
これもよく説明に困ることの一つです。周囲が忙しかったら手伝いあうのが中小零細企業ですので、結果的に社員は或る程度、ジェネラリスト化して行きます。しかし、最初からそれを言うと、専門分野にこだわりのある人材には疎まれてしまいます。

⑨仮に成約しても、人材の定着率が悪く、短期間で退職して報酬の返金を要求される。
通常、人材紹介会社では、入社した人材が半年などの一定期間に退職した場合、手数料の一定割合を返金する契約をすることが多く、短期間での退職は非常に煩わしい問題です。

このような色々な問題があるため、人材紹介会社の方でも、中小零細企業への人材紹介は鬼門と考えるのは無理がないものと思われます。

中小零細企業の人材紹介会社活用の条件

弊社では、以下のような方針で、中小零細企業の人材紹介会社活用方法を企画・指導します。

★求人スペックは解決したい課題から明確にしてゆく
「稼いでくれるなら、年齢も性別もどうでも良い」、「たくさん稼ぐなら、給与額も増えるに決まっているが、できも分からないうちに、給与を決められる訳がない」などが、中小零細企業経営者の本音かもしれません。しかし、それでは求人票は完成しません。そこで、そのような属性条件は緩く幅を持たせて、それも後回しにし、何のために人を雇うべきなのかを明確にすることとします。それは採用する人材に解決して貰いたい経営課題の描写に他なりません。
この経営課題の経緯を真摯に伝えることが、その企業の誠実さの現われになりますし、候補者に「頼られる喜び」を伝えることとなります。

★その会社の魅力、経営者の魅力を分かり易くまとめる
社屋などのハード面、人事制度などのソフト面で見劣りする部分は、会社のダイナミズムや歴史の重さ、際立った差別化要因の解説などで、十分補うことができます。また、経営者の人物像こそが創業オーナー社長率いる会社の最大の魅力になり得ますので、それをきちんと分かり易くまとめることとします。

★人材紹介担当者の手離れが良いような仕組みづくりをする
上述のような情報を、簡易なツールにまとめるなどして、人材紹介会社に配布し、可能な限り、人材紹介担当者に説明の負担が掛からないようにします。また、大手出身の候補者が多いと予想される場合には、大手企業と中小零細企業での働き方の違いや、そのメリット・デメリットを描く資料なども、合わせて用意すべきです。

★こまめに人材紹介担当者に連絡をする
人材紹介担当者の頭の中には、売れやすい人材と決めやすい案件の二つが、どんどん補充されてゆき、それまでの「在庫」は見る見る陳腐化して忘れ去られてゆきます。そこで、こまめに連絡して、思い出させることが重要です。

★人材紹介担当者にフィードバックを求めます
それでも、候補者が出ない場合には、その時点での求人条件などをどう変えれば候補者が出易いのかを、人材紹介担当者に相談し、意見を求めます。修正できる条件は(クライアント企業の了承を得て)すぐさま修正し、資料の表現を変えるべき部分は、随時変更し、候補者の獲得を目指します。

★同時に受入体制の整備も強力に実行します。
折角雇った人材が簡単に退職することのないよう、受入体制の整備もやらなくてはなりません。具体的には、以下のような項目に関して、採用した人材に接する社員数名を含む、社内の主要人物の間で、確実な実行体制を確立すべきです。

① その人材が当面取組むべき経営課題が明確化され、周囲の社員にも認識されている。
② その人材に、頻繁なホウレンソウを前提に一定以上の権限を与える。
③ その人材に、経営者の姿勢や経営観、さらに社の経緯・沿革などをよく理解させる。
④ その人材の実績が発生した環境と、自社の環境の違いを、その人材によく認識させる。
⑤ そのような人材のノウハウなどが必要であることを、部下となる社員がきちんと理解している。
⑥ その人材に想定される社内の対人関係を事前によく伝え、対策を準備させる。
⑦ その人材の家族も転職に対して十分な納得をさせる。

中小零細企業の人材紹介会社活用支援サービスの内容

弊社の「中小零細企業向け人材紹介会社活用サービス」の内容は以下の通りです。

★求人スペックの作成
人材を中途採用する必要性や職場環境、社長の人物像など、求人スペックを作成するのに必要な内容を、取材し、人材紹介会社向けに求人スペックを作成します。また、関連する各種資料も必要に応じて用意致します。

★人材紹介会社の選定
人材紹介会社は関東圏であれば、まさに星の数ほど存在します。その中から、候補者に近い人材が豊富に居る可能性の高い人材紹介会社を、通常、20~30社ほど、ウェブ情報や業界内評判、さらに電話・訪問などによるスクリーニングで選定します。

★求人票の提示
スクリーニングした人材紹介会社に求人スペックや資料などを持参し、案件内容や進め方などをきちんと説明します。

★人材紹介会社に対して定期的な連絡による状況確認
候補者出現の可能性などを定期的に打診します。人材紹介会社に忘れ去られるのを防ぐためです。

★主要な人材紹介会社を訪問し、求人スペックの見え方や条件などの調整
接触した人材紹介会社の中でも協力的で、且つ、案件理解も深い人材紹介担当者には、定期的に訪問して、求人スペックの見え方や条件について検討を重ねると共に、候補者には至らなかった登録人材の反応(候補辞退理由)などから、情報発信のあり方や、現実の求人企業の組織のあり方に関して改善点を探ります。

★候補者の適合性の簡易な診断
企画請負業者として、活動するため、候補者の個人情報については人材紹介会社と契約を結んでいない状態での業務遂行となります。よって、候補者のデータを直接見ることはしませんが、人材紹介担当者から口頭で職務経歴の主要な部分などを聞き、その適合性を診断します。また、候補者からの企業に対する質問などにも応じます。候補者本人の希望によっては、会社説明を兼ねた予備面接まで代行することもあります。

★第一候補者の紹介
人材紹介会社から、適合性の高い人材が候補者として提示された場合には、最初の候補者の段階で、人材紹介会社の担当者をクライアント企業の人事担当者にご紹介します。クライアント企業はこの時点で、人材紹介会社と人材紹介契約を締結し、候補人材の個人情報を見ることができ、そこから、採用のプロセスを進めます。
残念ながら、第一候補で決定せず、同じ人材紹介会社から二番目以降の候補者が出た場合は弊社を通さず、人材紹介会社が直接クライアント企業に連絡します。

★上述の全工程を、隔週、または月次でクライアント企業に報告
書面で以上のような経緯を逐次報告すると共に、必要に応じて、打ち合わせなども行ないます。

★クライアント企業において、人材の受入体制の整備を提案・支援
前項で説明の中途採用(主に幹部)人材の受入準備の企画や支援を行ないます。場合によっては、数回の受入準備研修なども勉強会形式で開催します。また、有力人材紹介担当者や候補辞退人材の考えなどを集約し、随時、組織内の人材受入準備の精度を上げてゆきます。

人材紹介活用支援サービスのメリット

通常、求人媒体への出稿を開始して、その成果が芳しくないことが分かってから、人材紹介会社の活用が検討され始めます。しかし、成約しなければコストが発生しない人材紹介こそ、本来、先に手掛けるべきと言う考え方も成り立ちます。

一般に既に手応えを求人媒体で得ている職種・ポジションの人材募集の反復であれば、求人媒体による募集は確実です。また、エリア限定の募集や、比較的年収の低い人材の募集などにも求人媒体は向いています。

それに対して、弊社の人材紹介会社活用支援サービスを組み合わせた、人材紹介活用は、弊社の月額作業手数料10万円程度(難易度や受入体制確立の支援作業の有無などによって、増額をお願いすることがあります)で、以下のようなメリットを得ることができます。

★求人媒体では得られない反応が得られる
求人媒体では、反応がゼロ(または極端に少ない)なら、それがなぜ「ハズレ」であるのか、全く判断が付きません。それでは、所謂、「仮説と検証」のサイクルが回せず、募集作業の改善が図れません。
一方、弊社を通した人材紹介なら、求人のスペックや会社の魅力の受け取られ方などについて、人材や人材紹介のプロの意見が、得られます。また、募集時期や業際的近時職種の候補者の増減など、業界ならではの状況などについての情報も入手でき、随時、改善を図ることができます。

★コストの野放図な発生が防げる
求人媒体は反応がどうであっても、コストが発生し、自己責任においてそれを負うしかありませんが、人材紹介ですと、(弊社の作業手数料以外は)コストが発生しません。

★人材紹介会社との契約に基づき、退職者が出た場合は、紹介手数料は返金されることがあります
契約内容や採用人材の在職期間によりますが、人材紹介手数料の一部または全額が返金されることがあります。求人媒体ではこのようなことがありません。退職者の発生も総て自己リスクです。

★規模の拡大も自由にできる
接触している人材紹介会社群の構成の変更や会社数の拡大も自由自在で、(極端な会社数の増加を除いては)追加コストは掛かりません。

★人材紹介会社との折衝の時間が完全にカットできます。
候補人材が挙がって、選考・採用のプロセスが始まるまで、人材紹介担当者との接触は不要です。

★適合性の高い候補者を挙げた実績のある人材紹介会社とのみ契約できる
通常、人材紹介会社とは接触した段階か、何某かの候補人材が出された際に契約を結びます。しかし、人材の適合性に関してはその時点では分かりませんので、結果を生まない契約を各社と結び続けることになります。弊社のサービスですと、クライアント企業の特質を理解し、適合性の高い候補者を挙げた人材紹介会社とのみ、契約ができます。

しかし、クライアント企業のご希望にもよりますが、最大のメリットはこれだと思われます…

★中途採用者の受入体制の確立ができ、今後に活かせると同時に、それが企業の風土改善にもつながる
中途採用者の受入には、社内のコミュニケーションの改善や、経営課題に対する共通認識の確立、そして社員全般の動機付けの向上などの要素が含まれています。中途採用者の採用と共に、自社を社外の眼で評価し、改善を要する部分は改善することで、企業の風土改善や業務の改善などが図れます。また、その効果は広範で長期に及ぶことと考えられます。