大手企業を公開企業と読み替えると、公開企業と非公開企業の数の上でのバランスは、0.1対99.9の割合です。(イメージとしては、数千対数百万のオーダーです)ですから、大手企業は概ね毎年採用を行なっている上に、数が少ないので、大雑把な業界単位(就活マニュアルなどにある多くても20〜30程度の業界)で区切れば、片手程度の数の企業数に絞り込めます。
しかし、中小企業ではその程度の区切りでは、無数と言っていいほどの企業数になってしまいます。拠点数が少なく異動もあまりないので、自分が働きたい場所の細分化された業界(中小企業就活の落とし穴(3)に書いたとおりの業界団体単位程度の千単位の分類の業界)に属する中小企業に絞っても、数十社程度は企業が存在するはずです。
大学のある街の企業であれば、そのような中で数社は大学の就職課に求人票を送ってきている可能性があります。特に地方都市などでの場合は、就職サイトには十分な数の求人企業が掲載されていないことが多いので、就職課に当たるのが確実です。少々、ラフプレーですが、自分の大学だけでなく、他の大学の就職課に赴いて情報収集するのも、有効な手段です。
対象の業界によっては、もう少々システマティックな方法もあります。業界団体で尋ねたり、業界誌の出版社に相談したり、その地域の商工会議所などに相談すれば、該当する企業を数十社単位でリスト化することは可能でしょう。それらの企業が新卒採用や若手社員採用に関心があるか否かは、リスト化の段階では全く分かりません。そのリストに上がっている企業が、地域の合説に出ていたりすれば、話は早いですが、そうではない企業ばかりなら、それらの企業に一社ずつ連絡を取って確認するなどの方法が最終的には確実です。
その点、ハローワークなどの公的機関の求人企業を探すというのも可能です。ここでも先に業界を細かく絞り込んでおくと、非常に探しやすいと思います。ただ、ハローワークの情報には多くの求職者が群がる傾向にありますので、(合説などにも並行して出て居るような企業でない限り)今まで述べてきた方法に比べて、比較的新卒者が不利な立場になることが想定されます。
大学のある街に実家があり、昔からその街に住んでいて、両親や親類縁者が多く居る学生なら、全く別のアプローチがあります。いきなり、縁故採用に活路を求めることです。自分や自分の家族が年賀状を出している人々が100人居たとして、その宛先の人々もさらに100人の出し先を持っているなら、それだけで、1万人の接点を持っているのと同じです。業界などを絞り込んで、「大学を卒業したらそのような仕事に是非取り組みたいと思っているが、若手人材の採用をおこなっている地域の企業を知って居たら紹介してもらえないだろうか」と言うような手紙やメールをきちんと書いて送ってみた方が、定番のマニュアルにあるような就活を行なうよりも早く結果が出ることでしょう。