書店の専門コーナーに溢れる就活マニュアルを見て、一番疑問を感じるのが、自己分析です。私が愚鈍な人間であったのか、少なくとも私(や私の知る周囲の方々)は、大学卒業のような年齢で、自分にどのような職業適性があるのかを理解していませんでした。

また、仮に自分がやりたいと思える仕事や会社を絞り込める軸が、首尾よく見つかったとしても、地方都市ですと、一定ジャンルにおける新卒募集を行なう企業の選択肢は少なく、さらに、職種に関しては、本人の希望などほとんど叶わないことでしょう。

そのように考えると、自己分析は、業界選択や企業選択よりも、実質的に履歴書上でや面接の際に伝える自己PRのネタ作りに他ならないことになってしまいます。

自己PRは新卒以外の人材の面接でも難しいものである理由の第一は、自分が認識する自分と、周囲から見た自分が大抵一致していないことにあるように思われること。さらに、そのイメージを伝える材料が、新卒者の場合なら、大抵、サークル活動・ボランティア活動・バイト活動に集約されてしまう陳腐さも手伝います。そんな自己分析と自己PRについて考えることとします。

主な論点

(1) 自己分析の目的と困難さ
(2) 自己分析と志望動機
(3) 自己分析と自己PR
(4) 自己分析と各種適性試験
(5) 自己分析と事前準備