後継者に覇気がない
- 社長と後継者で口をきかなくなってしまい、コミュニケーションが十分に取れていない
- 古手幹部が実権を握ってしまい、後継者が実務に関わらせて貰えていないが後継者がその状況を良しとしている
後継問題で起こりがちな悩みには、社長側と後継者側、どちらにも問題がある場合が多いです。
社長は得てして自分と同じことができるようになることを後継者に求めがちですが、目指す結果は同じであっても、方法論が異なることは許容する必要があります。
多くの後継者は、社長の「自分と同じ思いをさせたくない」という思いから、良い大学に通うことが多いため、自社に入社する前に同業の大手・中堅会社に入社するケースが多いです。30歳くらいになると係長など役職がついていることも多く、権限ができ、人脈もでき、仕事が面白くなってくる頃合いです。また、結婚して子どもができるなど、将来が見えてくる時期に後継の話になり、実際に自社を見に行くと、勤務中の会社と比べて「こんな会社を継ぐのか」と思ってしまうことが多いようです。自社の魅力が理解できない上に、社長とコミュニケーションを取ろうとしなくなってしまいます。
その結果、
- 社長が後継者に求めていることと現状にギャップが出てきてしまう
- 両者ともにコミュニケーションが取れなくなってしまう
- 後継者が自分の価値観を分かっていない
という状況が起きてしまいます。
このような場合、まずは後継者が自社の魅力を理解する必要があります。取引先や従業員にインタビューをして回らせると、自社がどのように必要とされているかを理解することができます。更に、社長が見ているものも見えてくるため、社長の判断基準を理解することにも繋がります。また、業界誌を読んでもらうことにより、業界内での見るべきポイントが分かってきます。その基準をもとに、自社はどのような状況なのかを見るように仕向け、社長の今までの仕事の成果として会社を見てもらうことで、問題は小さくなっていきます。