慣れていなくても簡単。ストア・コンセプトを明確化します
ストア・コンセプトなどと言うと、非常に難しく感じると仰る店長様に多数会いました。ストア・コンセプトは、詰まる所、「来店するお客様はどう言う人々か」、そして、「そのお客様にどのように喜んでいただく店なのか」をはっきり言葉にして宣言してみたものと考えて戴ければ良いのではないかと思います。
このストア・コンセプトを決めると、
●品揃えや
●価格設定。
●広告や販促のあり方から
●店員教育、
●そして、店舗レイアウトや内装・外観まで。
総てが矛盾なく決められるので、ターゲットとするお客様にとって、分かり易く、明確に魅力が感じられる店ができます。
弊社オリジナルのストア・コンセプト・チャートは、順番にアナを埋めていくと、無理なく自分の考えているストアコンセプトがまとめられるものです。そのようなことを考え慣れていない方でも簡単に使えます。
靴店・書店・薬局など、ご活用事例多数。
ストア・コンセプトから、予算に合わせて、実行継続可能な方策を提案します。
ただストア・コンセプトをチャートを使って明確にして眺めていても、客数も伸びなければ、売上も上がりません。
明確に表現されたストア・コンセプトをもとに、
●お客様の来店拡大、
●店内での買上げ率の向上、
●そして、客単価の引上げ
などを実現するために、
●広告販促の改善・工夫や
●通行者に対する店内誘導の情報発信の方法
●POPなどの工夫や陳列の組み合わせなどによる買上げ率・買上げ単価の向上方法
などを具体的に企画提案致します。
小売業をこれから始める方のみならず、既存店での売上が伸び悩んでいる零細小売店の方々にもお奨め致します。予算に合わせて、できることから少しずつ継続的に改善できるような計画をお作りいたします。
補足: 店舗の目的定義とマーケティングの4P・4C
弊社用意のストア・コンセプト・チャートは、店舗に関して、
★顧客像の分析
★顧客のニーズの分析
★SWOT分析
★マーケティングの4Pの設定・調整
を各々分かり易い項目にブレークダウンして、矛盾なきよう記入するものです。
マーケティングの4Pは、マッカーシーの提唱以降、マーケティングの王道とも言うべき位置づけのものであり、弊社でも、たとえそれがどのようなマーケティング立案の場面でも、有用なものと解釈しております。
一方で、マーケティングの4Pが、最初に提唱された時代においては、事実上、大手のメーカーがチャネル・キャプテンとして、流通の他の参画者を率いてマーケティングを展開することが殆どであったように考えられます。よって、小売店のマーケティングやサービス店のマーケティングには、原理として有用であっても、4Pの分類をそのまま使うには多少の無理がある面も否めません。
弊社のストア・コンセプト・チャートは、現状、物販店を主眼においておりますが、その段階でも、4Pの各分野において、どのような項目がそこに含まれるべきかに関しては、実践上の効果を優先し、独自の解釈を施しました。4Pの、メソッド、もしくはツールとしての目的が、ターゲットとする顧客ニーズに基づき、マーケティング各分野の戦略(通常、このセットをマーケティング・ミクスと言います)を矛盾なく構築することであるので、4Pの各々の分野に、店舗の場合、具体的に何が入るべきかという議論は、弊社の企画業務の請負業というドメイン外にあるものと判断しております。
さらに、一歩推し進めて、4Pの原理の優れているところは、マーケティングの戦略立案のメソッドを体系化したところにあるのであって、4Pの分類そのものが絶対のものではないと言う考え方もできます。ですので、顧客像や顧客ニーズを中心において、マーケティング・ミクスを考えると言うメソッドの体系が維持される限り、企業ごとに4Pでも10Pでも適宜自社に都合の良いように分類を作ることがあっても構わないぐらいに考えております。
※実際に、そのような工程を含めてマーケティングの理解をテーマとした勉強会を開催することもあります。
尚、ストア・コンセプト・チャートを、サービス店を対象として用いた場合は、通説の4Cを項目分類の指標として適宜採用することで、大きな問題なく対応しております。4Pと4Cの対応は以下の通りです。
★ Product ⇒ Customer Value
★ Price ⇒ Customer Cost
★ Promotion ⇒ Communication
★ Place ⇒ Convenience
マーケティング4Pは「売り手立場」で、4Cは「買い手立場」で発想されているので、例えば、伊勢丹百貨店の「“売場”ではなく“お買い場”」と同じような考え方で、4Cの方が新しく、優れた発想だとする意見があります。弊社での4Cの採用は、店舗、特にサービス店における4Pの分類が、その活用者にとって各分類に含まれる項目についての連想が複雑になる可能性があるからです。決して、質的な優位性を4Cに認めているからではありません。4Pと4Cは、裏表の関係になっており、例えば、よく売れる、言い換えれば、顧客の支持を受ける商品(Product)が、顧客の求める価値を提供するものであることは論を待ちません。
ただ、例えばリフレクソロジー店の4Pを考えようとして、意味を分かっていても尚、Product と見ると、「商品」のイメージが頭にどうしても湧き、Place を見ると、その本質が「顧客に価値が提供されるまでのプロセス」とは理解していても、「“流通”。しかし、サービスには在庫もないしなぁ」とつい考え込んでしまう。このような不便を回避するために、単純に4Pを4Cに置換する方法論を採用したに過ぎません。
逆に言うと、ブツが提供される価値の大きな部分を占める分野では、今尚、4Pの方が、直感的に理解できる分類であるともいえます。
社員の皆様が勉強会のような形式で時間を或る程度きちんとかけて、自ら学び、学んだ結果を共有し合えるような「勉強会形式」が採用できる物販店の場合には、4Pではなく、MDの具体的な分野をそのまま、4Pに代わるマーケティング・ミクスとして用いることもあります。
MDの入門書の目次を見ると、「商品計画」、「仕入計画」、「発注計画」、「在庫計画」、「販売計画」の5分野が挙げられています。これらをマーケティング・ミクスとしてそのまま活用すると言う考え方です。MDは物販店のマーケティングのあり方を体系化したものですので、漏れなくマーケティング・ミクスを構成することが理屈上は可能です。ただし、ストア・コンセプトとの組み合わせてのMDの実践方法を具体的に紹介する書籍などはあまりなく、手探りの項目設定作業も発生しがちなので、前述の通り、或る程度の学習期間や試行錯誤の時間が勉強会のプロセスで必要になってしまうのです。
参考: 経営コラム SOLID AS FAITH 11周年記念号 第6項「視覚化する道程」
実際のストア・コンセプトの構成のステップを詳細に説明しています。
★ サービス店舗でのストア・コンセプト構築をベースとしたホスピタリティ向上の取組み事例はこちらから。
補足: 店舗の目的定義と差別化
差別化ということがよく言われ、「生き残りのカギは、差別化だ!」のような主張もよく耳にします。全くその通りですが、単に競合他社と異なることをすればよいのが差別化ではないと弊社では思っております。ストア・コンセプトの決定をし、それを実現してゆくことは、まさに差別化実現のプロセス以外の何者でもありませんが、ストア・コンセプトを論じるだけでは、世の中に言う「差別化」と、それがどのような関係にあるのかが分かりません。
そこで、弊社の考える差別化について、以下のページにまとめてみました。是非、ご高覧下さい。
●差別化の基礎 ① 『差別化の構造』
●差別化の基礎 ② 『差別化と顧客ニーズ』
●差別化の基礎 ③ 『差別化の実践』